2013年1月20日日曜日

楽しくていいのか?

東京武蔵野シニアの練習に体験参加した選手に感想を聞くと、ほとんどの選手が、
「楽しかった!」
目を輝かせて答えてくれます。練習内容、練習のテンポ、先輩たちの雰囲気が、小学校の野球では経験したことのないものだからでしょう。

ところが、子どもたちがうれしそうに躍動する姿を見た父母からは、
「こんなに楽しい練習でいいのですか?」
「これじゃ、高校野球で戸惑うんじゃないですか」
心配そうな顔で質問されることがしばしばあります。
私は、答えに詰まります。

「イジメはダメだ」「体罰反対」「古くさい根性練習は時代遅れだ」等々、いろいろな声がありながら、現実には、イジメ、体罰を半ば容認し、「一流になるには理不尽な練習が必要」「子どもはいじめた方が伸びる」といった潜在意識を父母たち自身が捨てきれないのではないでしょうか。

私の師であり、チームの最高顧問である宇城憲治先生は大変厳しい方です。
宇城先生が来られただけで、その場の空気がピンと張り詰めます。その厳しさは、体罰ともイジメとも怒鳴り声とも違う、まったく次元の違う、本来の厳しさです。子どもを真っ直ぐに成長させるのは、そういう本質的な厳しさです。

東京武蔵野シニアの練習は「野球が大好き」な少年たちにはたまらない、楽しいプログラムの連続です。楽しいけれど、実際には「全力疾走」の繰り返し。見た目以上に、体力的には厳しい練習です。でも、楽しいから、好きだから、がんばれる。それはいけないことでしょうか?

充実した練習を通して、もっと野球を好きになる。「野球が好きだ!」という熱い気持ちが強くなればなるほど、真っ直ぐに取り組む力、やり遂げる意志が深くなる。中学の3年間は、嫌々我慢して練習に行くのでなく、「毎回練習に行くのが楽しみで仕方がない」、前向きな気持ちで元気に野球するほうがずっといいに決まっていると、私たちは考えています。

2013年1月18日金曜日

言葉の暴力・本来の厳しさ

身体的な暴力だけでなく、言葉による叱責や心理的圧迫も近年では暴力と同等に認識されています。
大会に出始めた最初のシーズン(一昨年)、私はしばしば怒鳴っていました。当時は、「チームの志気が上がらないときは怒鳴ることも必要」「何が足りないか明確に教えるため、ミスが出た直後に厳しく指摘すべし」と考えていたように思います。試合になれば監督のテンションも上がるので、自然と、怒鳴る回路のスイッチが入りやすかった。「怒鳴れば何かが変わる」と期待していたのも事実でしょう。ところが、怒鳴っても前向きな進展や変化はほとんど生まれませんでした。チームには暗い影が残ります。結局、ミスの原因を補う具体的な指導をする以外に方法はない。そのため、根本的に闘う姿勢を普段から築き上げるしかないと気がつきました。ごく稀な例を除いて、怒鳴っても意味はないのです。

怒鳴るのは結局、自分の指導力不足を認めず、選手に責任転嫁する行為です。
選手がだらだらしているのは、監督の気迫や回転数が足りないからです。
自分の力不足を直視せず、選手のせいにして怒鳴るのは、指導者の驕りです。
チームの最高顧問・宇城憲治先生から、「負けるのは100%監督のせいだ」と指摘され、目が醒めました。

常に率直な意見をしてくれる事務局長からも厳しい指摘を受け、私は「怒鳴らない」と決めました。
「監督には、怒鳴る自由が与えられているのではない」「怒鳴る前にすることがある」
監督に怒鳴る権利があると思い込んでいるのは、監督の勝手な思い上がりです。
けれど昨シーズンは、何度か怒鳴ってしまいました。怒鳴ったあと、自分を正当化する自問自答も重ねました。けれど、やはり違いました。
怒鳴ったあと、私は選手に謝り、選手は私を許してくれました。

東京武蔵野シニアは、言葉の暴力も徹底して戒め、指導者の驕りを認めない姿勢を明確にしています。
厳しさは、監督やコーチの怒鳴り声にあるのでなく、自分との戦いそのものにあるのです。
私たちは本来の厳しさから決して目を背けません。
「自分を変える」「未熟な自分を鍛えていく」「ハラを決めて勝負に立ち向かう」
自分との戦いは厳しいから、みんなで支え合い、励まし合って目標に向かうのです。

2013年1月17日木曜日

体罰について

大阪の市立高校バスケットボール部の事件をきっかけに、連日メディアで「体罰」や「部活動のあり方」に関する報道がされています。

東京武蔵野シニアに「体罰」は存在しません。

このチームを作ったひとつの目的は、真のリーダーの育成です。
リーダーは、無言で存在するだけで周りに影響を与え、理屈抜きにみんなの心身をひとつにする力の持ち主。「その力のない人間は指導者の資格がない」と、球団最高顧問である宇城師範から教えられています。
私自身がそのような人間になる。その姿を見て選手たちがさらに器の大きなリーダーになる。野球に限らず、学校で、社会で、将来は家庭で、“まさか”のときにも動じない、裏切らない、心で行動できる人間になる。それが東京武蔵野シニアの活動の目的です。

そこを目指して日本一の山を昇る過程に、「体罰」が入り込む余地はありません。
私たちは、自分を鍛える明確な道標を学び、持っています。
だから、自信があります。
自信とは、自分の歩む道を素直に信じられる心の強さです。


2013年1月11日金曜日

監督の任期

「監督は、今年入団する選手が卒団するまで、監督を続けてくれるのですか?」
このような質問を複数の方から受けました。

監督人事の決定権は理事会にあります。
あくまで私の思いですが、はっきりとお伝えします。

球団規程に基づく監督の任期は三年、当面今季いっぱいです。
私自身は、来年以降も監督を務めたいと希望しています。
私が望めば、理事会はおそらく続投を認めてくれると思います。

東京武蔵野シニアは、私が最も大切にしている活動です。いわばライフワークです。
中途半端に投げ出すことは考えていません。
私たちの姿勢に共感してくださる方はどうぞ入団してください。
三年間、一緒に野球をやりましょう。

2013年1月9日水曜日

監督の指導歴

監督(小林信也)の球歴、指導歴を、体験参加の父母から尋ねられました。
過去はあまり意味がないのですが、ご参考までに一部を列記します。
野球以外の競技でも世界チャンピオンを育成した実績があります……。

〈球歴〉
  新潟県立長岡高、投手。昭和49年新潟県大会優勝。同北信越大会出場。
 高校通算21勝4敗。

〈野球指導歴〉
 筑波大付高ヘッドコーチ(夏の大会で4番森本稀哲の帝京を一時リードの善戦)  
    
 都日野高ピッチングコーチ(秋春連続ベスト8、現在に至る基盤づくりに協力)
 母校・長岡高の強化スタッフとして、28年ぶりの県大会優勝。
 少年野球「オール武蔵野」コーチ  ほか

〈その他のスポーツ歴〉
 1977年 フリスビー(フライングディスク)世界選手権日本代表主将(初代)
       世界選手権アルティミット東西オールスター出場    
 1978年 フリースタイル北米シリーズ サンタバーバラ大会10位 
 1986年 ディスクゴルフ日本チャンピオン
 1991年 ディスクゴルフ国際大会 ジャパンオープン・マスターズ優勝
 1993年 PDGAディスクゴルフ名誉の殿堂入り(ジョージア州)
       世界で7人目、アメリカ人以外では初。

〈その他スポーツのヘッドコーチ歴〉
  トライアスロン未経験の女子選手を発掘、日本チャンピオンに導く
 
  フライングディスク未経験の男子選手を発掘、日本チャンピオンおよび
  日本人初の世界チャンピオンに導く

〈国際的トレーナーのプロデュース〉
 白石宏トレーナーの総合プロデュースを担当し、数々の活躍に携わる。
  1986年 NFL スーパーボウル シカゴ・ベアーズの優勝に貢献
  五輪の金メダル 水泳・鈴木大地選手 柔道・斉藤仁選手
  五輪の銀メダル 女子マラソン・有森裕子選手
  テニス 伊達公子選手 松岡修造選手 ほか

野球だけでなく、様々なスポーツの国際舞台に挑む選手を支え、経験を積みました。
しかし上記の大半は、現在の指導に至る以前の「個人的な勘」や「試行錯誤の繰り返し」にすぎませんでした。その後、武術家の宇城憲治先生に出会い、師事を許され、
根本から学び直しました。
いまは確かな指針を基盤に、東京武蔵野シニアの指導に取り組んでいます。

2013年1月7日月曜日

新年の約束

新年最初の練習で、「今年の約束」を交わしました。
今年最大の課題は「普段の生活を変える」です。
自宅で「ごはんだよ」とお母さんに呼ばれて、「いま行く」と生返事、何度も呼ばれることはないか? 食事中、「肘をついて食べちゃダメ! 良い姿勢で食べなさい」と注意されたとき、「うるせえなあ」と口答えしていないか? そんな選手は野球も上手くならない、野球をする資格がない。東京武蔵野シニアで野球に取り組む選手として矛盾している。
この認識はみな持っているのですが、自宅に帰るとつい横柄になり、生意気な口をきく子がまだ多いようです。中学生はそういう年代ですから、当然といえば当然。けれど、それでは「自分との勝負」に最初から負けているも同然。グラウンドと自宅、裏表なく、普段から素直に行動する!
そこで私(監督)は、選手たちに約束しました。
「監督も去年は、奥さんに食事の姿勢を注意されると、〈うるさいなあ、疲れているんだ〉とよく怒鳴り返していた。けれど、今年は直します。奥さんに言われたら、「ありがとう」と爽やかに言って、すぐ姿勢を直します。心の中で〈そっちだってできていない癖に〉と思うのもやめる! 自分が変われば相手も変わる。監督が率先して普段を変えるから、みんなも変わろう!」
選手たちはみな真剣な顔でうなずき、約束してくれました。

普段を変える。変わらないと野球に取り組む意味がない。
些細なこと、「やって当たり前」のことをやらずに突っ張っている暇はありません。
震災で苦労している人たちを思えば、なんと贅沢でしょう。
野球で厳しい練習をするのは何のため? 野球で自分を鍛えるためです。なのに自宅ではだらしない? それは矛盾です。野球で結果を残せば、すべて許されがちな現代ですが、私たちは違います。
大好きな野球で勝ちたい、とことん自分と戦う、普段の生活から変える。チーム全員で取り組む。東京武蔵野シニアは、そういうチームです。

今週土曜(1月12日)の練習に体験参加できます。午前8時半から午後4時半。
場所は矢野口(調布の少し先、多摩川原橋を渡ってすぐ右)の尽性園グラウンドです。
ご希望の方は、事前に監督までお申し込みください。
小林信也 携帯電話:080-2020-2170   メール: nobuya@s-move.jp

2013年1月1日火曜日

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

昨年は東京武蔵野シニアにとって、大きな手応えを感じる年にできました。
今年も自分たちの道を信じ、日々の生活すべてを練習と捉えて取り組んで参ります。

中学進学を控え、どのチームで野球をやろうか考えている選手、ご父母のみなさま、
もし、「真剣に野球で自分たちを鍛えたい」と希望しているなら、
大会出場3年目を迎える「東京武蔵野シニアの旗の下」にお集まりください。

貴重な成長期の3年間、大好きな野球で心技体を鍛え、野球で人格を磨き、生涯支え合える仲間たちと出会いませんか。
体験参加、歓迎です。どうぞご連絡ください。携帯080-2020-2170

1月半ばまでの間で練習に体験参加できるのは次の日時です。

1月5日(土) 12:00-16:30  武蔵野市営球場
1月7日(月)  9:00-13:00  調布・関東村グラウンド
1月12日(土) 8:30-16:30  尽性園グラウンド(矢野口)

                   平成25年元旦
                    東京武蔵野シニア 監督 小林信也